病床日記

2014-01-26 (日)
- 或る日常の風景

風邪は比較的よくこじらせる方だが、大抵は一晩寝れば翌日には熱が下がるという状態。
今回のように4日間(うち1日は土曜日)もダウンしたのは人生初。

熱にうなされながら、初めて「風邪ではなく違う重病なのでは…!?」など漠然とした不安を感じた。
そして改めて思い知った感謝の気持ち。

おかげさまで明日から社会復帰できそうです。

火曜日

朝からなんとなく気だるい感じはした。だが、それは己のいつもの怠け心のせいだろうとあまり深く考えず出勤する。
授業が朝から連続4コマ。5時間目が空きで6時間目が総合の時間。
時間割的に1週間の中で1番ハードな曜日が火曜日。

授業をしながらなんか体が火照っている感じはした。
なんとか4コマ終わったときには、さすがに熱がありそうだと自覚した。が、あえて体温計に手を伸ばさなかった。
現実を知ることが怖いという思いもあったし、今日は午後から学年の教員数が手薄になるため帰られない状況だったのだ。

公立中学校の教員の数は財務省の教育叩き政策により、クラス数に対して最低限の人数しか割り当てられていない。
つまり毎日生かさず殺さず状態で稼動している。それは某大手牛丼チェーン店が超繁忙時間なのに2~3人で回している状況と同じだ。
この状況で出張や休暇の教員が少しでもいるとたちまち回らなくなってしまう。

5時間目にさすがに辛くなり保健室で体温を測ったところ…38.6℃

熱があるっぽいと言えども37.5℃ぐらいかと見積もっていたので、現実の数字を目の当たりにして一気に気力が砕けた。
学年主任から「いいからお前は帰れ」と命じられ、人が回らないところを強制送還。

電車に座っているのも辛い。毛糸の帽子を深々と被りマスクをして目だけ見えている人間が、息を荒くついている様子に、 さすがに他の客も気がつくのか、自分の隣には誰も座ろうとしないw

電車とバスを乗り継ぎ、夕方にかかりつけの医者にたどり着いた。
これだけ高熱が出ているのだからインフルエンザが疑われた。
生徒たちには「うがい・手洗いをしてインフルにかかるな」と指導している手前、自分がインフルエンザに感染したら合わせる顔がない。
そして記憶している限り、10年以上インフルエンザに感染したことがなかった。 あの新型インフルが大流行して目の前で生徒がバタバタと倒れていく中でも自分は不思議と乗り切ってきた。

インフルエンザの検査はずいぶん簡単になったものだ。
綿棒で鼻の奥から粘液を採取して薬につけて10~15分ぐらい待つだけで結果がでるのだ。
床屋や病院に高い確率で置かれているゴルゴ13を読みながら結果を待つ。最も悪寒と気持ち悪さで何にも頭に入らないが。
別室で待つこと十数分。呼ばれて診察室へ入る。

医者「ん~出ませんねー」

インフルエンザ検査薬
fig Testの所にラインが入ればインフル陽性

ホッと胸をなでおろす自分がいた。 医者が言うには発熱してから半日経たないと陽性が出ないのだという。唯一考えられるのはそれだろうと。

もしインフルだったとしても効き目があるように薬を処方してもらい帰宅。

水曜日

朝熱を測ったら38.4℃。
少しは下がったものの悪寒と頭痛は相変わらず。

万が一のときのプリントは昨日の5時間目に作っておいた(作りかけだけど)
そして今日の授業は2コマだ。なんとかなるだろう。補教に入ってもらう先生には申し訳ないと思いながら意を決して学校に電話。全休する。

悪寒は常にある。布団に入っていても寒くて震える。

数時間ごとに熱を測っても、いつも38℃前半をウロウロしている。

木曜日

熱が下がる。37.4℃。
無理して授業をしてもよかったが生徒に感染してしまう危険性を考えて、補教課題をつくりに朝学校へ出勤。
プリントを印刷して管理職に全休をもらって帰宅。

ちょうど生徒たちの登校時間に被る。 次々と自分の前を知った生徒がやってくる。この時間に目撃されると面倒くさい展開になりそうだと覚悟していたら…
目の前を通り過ぎても誰も話しかけてきやしねぇ。

ガン無視か!?ああぁ?

話しかければ、それはそれで面倒くさいが、無視されれば無視されたで腹立たしくなってくる。
人間とはなんて身勝手な生き物なのだろう。

しかしよくよく考えてみれば、ニット帽を深々と被りマスクをしていれば、見えるのは目元だけ。
しかもこの時間に教員が帰ろうとするなんて、まずありえないシチュエーションなので誰も気付かないだけだったのだ。
家に逃げ帰るようにして戻り再び寝る。

熱は一日中37℃前半をウロウロしている状態。
頭痛もなくなり昨日に比べれば体の調子も悪くなかったので、家でお粥を食べながら撮りためた番組を見る。
夕方は大相撲なんか見ちゃったりして。

……これで明日はなんとかなる。

金曜日

朝、熱を測って動揺する……37.9℃。
また熱が上がりだしたのだ。

悪寒も昨日より酷くなっている。とても外出できる状態じゃない。
また学校に電話して3日目の全休をもらう。もう悲しいやら情けないやら。
どういうことかと再び近所の医者へ。

医者に熱が下がらないことを訴えると、再びインフルエンザの検査をすることになった。
今度は違うキットのやつ。

インフルエンザ検査キット
fig またもや陰性…

結果はまたも陰性。むしろインフルエンザの方が特効薬があるので、まだ安心できたのかもしれない。
インフルエンザでもなく、この高熱……何か別のヤバイ病気なのではないかと一気に不安になる。

帰宅して横になると、また熱が上がりだした。
……39.2℃。
もうどうにでもなれの心境だ。まだ気が楽なのは明日が土曜日だということ。
常に悪寒が襲ってくる中、これにも次第に慣れてきた感があった。
とにかく寝る。
夕方には38℃台にまで下がっていた。

土曜日

朝起きてみると、いままでの不快さが嘘のようなすっきりとした目覚め。
これはどういうことなのだろう。

熱を測ってみると……36.6℃。
やった!ついに熱が下がった。

苦しい4日間を経て、ようやく現世に生還することができた。
この4日間で常に思っていたのが家族の存在。
普段は独り身で何とも思っていなかったが、このような非常事態になっても全て一人でやらなければならない。
一番辛いのが食べること。起きるのすら面倒くさい。でもやらなければならない。この辛さ。

次は職場のこと。
これまで「人様に迷惑をかけずに生きなさい」と教えられてきて育った。
しかし今回は授業に穴を開けて迷惑をかけまくり。その中で人はどうしても迷惑をかけてしまうこともある。
だから人の迷惑に自分が寛容でなければならない。人が困ったときには極力助けなければいけない。
そんな風に思うようになった。

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