最後の学活

2013-03-19 (火)
- 或る日常の風景/学級日誌

卒業式も終わり、いよいよ花道を通って下校するだけとなった。

職員室でちょっと息を入れて、15分間の学活。
朝学活の雰囲気から、ドタバタして終わるのかと思った。

教室に入ると、クラスの生徒たちは、それぞれの友人と談笑している様子だった。
いつもは、座りましょう、と言わないとなかなか動かない子たちも、自分の姿を見て不思議と何も言わなくても自席についた。

教室には卒業証書を入れる筒と、PTAの人が生徒たちに準備した花をどっさり持ってきた。 15分間でこれを配り、最後に話すとなると時間はあまりなかった。

正直、何を話したのか正確には覚えていない。

思い出してみると、

(ここから)

何事にも初めてということがある。君たちで言えば、受験だったりするが、自分にとっても3年前は初めての1年生の担任。そして今年は初めての3年生の担任。

3年生といえば、みんなにとって進路もあるし、1番思い出に残る大切な学年だったはず。
そんな大切な1年を任された自分として、それなりに精一杯やってきたつもり。今、思えば少しは役に立ったのだろうか、と思う。

「最高の思い出をつくろう」
この言葉を合言葉にしてきた。

体育大会--賞こそは逃したけど、学年種目の大縄跳びで最初に飛んだのはウチのクラスだった。この成功で他のクラスに火をつけた。 体育大会を引っ張ってきたのは3Bだという自負がある。

合唱コンクール--立派だった。結果には驚いたが発表を聞くまでは、優秀賞(2位)はもらったと思っていた。

3年B組の担任としてみんなを1年間もてて、このメンバーで幸せだったこと。
この後、このメンバーはバラバラになる。もしかしたら一生会わない仲間もいるかもしれない。 でもこれだけは覚えて欲しいのは、この1年間、1日1日を過ごしてきた思い出はかけがえのないものだということ。

これから長い人生を歩んでいくうちに、自分のことも忘れられていくけれども、 人生の節目にほんのちょっとだけ「こんな先生もいたな」程度に思い出してくれれば、自分としては幸せだ。

いままで本当にありがとう。

(ここまで)

……最後は、自然と涙声になってしまった。というか、最初から半分泣きながらしゃべっていた。

不思議なことにしゃべり終わった瞬間、クラスで自然と拍手がおこった。
この拍手を聞いたとき、この1年間成功とまでは言えないけれど、そんなに大きな失敗でもなかったのかな。などと思った。

前に座っていた生徒が2人、色紙と花束をくれた。
クラスで人気講師の先生に色紙を書いていたのは知っていたが、自分への色紙はまったく知らなかったのでこれは本当に嬉しかった。

花束は小さいものだったが、クラスの子たちが自分たちのお金で花束をくれたということを思うと最後は涙が止まらなかった。

花束を渡されるときに「花言葉を調べてください」と言われた。
ところが理科の教員のくせに花には全く詳しくなく、何の花だか忘れてしまった。

…たしかスイートピーとかすみ草だった気がするのだが…。

花 fig.PTAと生徒からもらった花

ひとまず、これで全て終わったなという感じ。
思えばたった3年間しか過ごしていないのに、別れのときには泣いてしまうのだ。
結婚式のときに親が泣くのは当然なのだろう。

あと何回卒業生を送り出すのだろう。
初めての卒業生は忘れられないとベテランの先生方から言われるが、良くも悪くも色々あった。
きっと忘れない。

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