ブタの目の解剖(指導編)

2014-11-28 (金)
- 或る日常の風景/学級日誌

自分の専門は物理なので、生物分野の授業は知識が乏しくやはり苦手意識があります。
そして多感な中学生が生物分野の授業のときに聞いてくるのは……。

「先生!解剖やるんですか?」
「解剖やりましょうよー」

という声。

今の子どもたちは解剖なんて人生で経験したことはまずないはずだ(昔はカエルとかよくやっていたという話しを聞くけど)。
もちろん自分もそう。教員になって研修に行くまで中学でも高校生物でも解剖などやったことがない。

そんな「解剖がしたい!」という声を聞いてなんて学習意欲旺盛な生徒たちなんだ!などと感動してはいけない。ヤツらは所詮口先だけなのだ。

前にいた学校で、学年一"やんちゃな"(*)男子生徒が「なんで、解剖やらねーんだよー!」と大声で叫ぶので、腹立たしく思い"にぼし"を水で戻して解剖する実験(脊椎動物の観察)をやったら、 「まじキモい……」と全く手をつけなかったのには笑ったw
あんな小さい"にぼし"程度でソレかよ。

(*)こう書くと微笑ましいが、実際は態度が悪く教員に反抗的な言動を繰り返す反社会的分子。

今回もご他聞にもれず「解剖やりましょうよ(ニヤニヤ)」と言ってきた。
さぁ……どうしようかねぇ……、と言葉を濁す。

今の学校では生物に詳しい先生がいて、「ブタの目の解剖」に取り組んでおられる。
自分には縁がないと思われる解剖だったが、自分のスキルアップと考え、教えてもらいながら解剖の授業に取り組んだ。

入手方法

事務にお願いした。
あらかじめ2学期の第何週ぐらいに解剖したい旨を伝えておいて、連絡してもらう。
1週間以上前に「○月×日に△個欲しい」と正式な日程を事務に伝え、注文してもらう。到着した箱をみたら東京芝浦臓器 書いてあったので、どうやらここに注文してくれたらしい。

使用日の前日にクール宅急便で届く。
1班(4~5人編成)で1個の割合で買ってもらった。中学生なので1人1個とかしてもアレだし、そもそも予算がない。

実験日

少しなら冷蔵庫で保管できるだろうが、何といっても鮮度が命。できれば1日で全クラス解剖実験を行いたい。
だが全クラス授業が揃うなんてことはまずありえない。行事やらなにやらで授業がカットされ進度がバラバラになる。

そこで時間割を動かしてなんとか同じ日に解剖ができるように設定しなければならない。またこれが面倒くさい。
時間割なんてどう動かしてよいものやら見当もつかないので四苦八苦。

ただし実験日を月曜日(あるいは祝日の次の日)に設定するのはよろしくない。
休みの日は業者も休みなので、ブタの解体が行われない。そのため届くのが前の週の金曜日(あるいは祝日の前日)になってしまい鮮度が落ちる。

気をつけること ~生命尊重の心を持て~

ここが一番の難関というか、頭を悩ませたところ。

解剖は楽しむためにするものではない。食用に解体されるとはいえ、ブタと言えども大切な命。
"生命を愛しむ心"や"生命に感謝する心"を少しでも持たせて取り組ませたい。

だが「解剖したい」という口先連中は、所詮お遊び感覚。
生命尊重の心など これっぽっちも持ち合わせちゃいない。いや知識としては持っているだろうが気持ちがついてない。
なぜって?・・・ぼうやだからさ。

今回の解剖実験の前段階として、"にぼし"の解剖(脊椎動物の観察)に取り組んだのだが、"にぼし"を投げる連中や、 ビーカーの中に大量に突っ込んで ふやかして遊ぶ連中が現れブチ切れ。
散々説教した挙句、「次の観察で真剣に取り組めません。遊びますという連中は学校を休め」とまで言い放った。

今回も色々悩んだ挙句、先輩教員のアドバイス"実験前に線香を上げ合掌する姿を生徒たちに見せる"ことにした。

前回の説教が効いたのか、線香と合掌が効いたのかは不明だが、アホが手のひらに乗せて「ミギー(*)だ」という程度で済んだ。

ミギー fig.(*)ミギー。この時期に映画とはタイミングが悪すぎる。

授業の流れ

プリントで目の各部の名前と役割(虹彩、レンズ、網膜、視神経)を復習。模型があれば使って説明。

ブタの目で解剖を行うことを伝える。
大きさ、質量、構造ともヒトの目とほぼ同じであることを伝え、ブタと言えども自分の目を解剖するのと同じであることを話す。

そして解剖……という流れ。50分で全部終わらせる。
中学なので細かく解説することもできない。やってみたら片付けをする時間まではなかった。

解剖手順については悩むところ。
最初に全部説明して「さぁ、やってみろーーー」だと、勝手にザクザク進めていく班と超遅い班にわかれ、教員1人しかいないのに、あちこちから「せんせー!これどうするんですかー!」 など声が上がり授業が崩壊してしまう。

面倒だが次の手順だけ説明して教員が回りながら作業を手伝い、ある程度進んだら作業をストップさせて、 さらに次の手順を説明した方がよさそうな気がする(特に今の学校は)。

さぁ、いよいよ解剖だ。

ブタの目の解剖(解剖編)につづく。

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