ブタの目の解剖(解剖編)

2014-11-28 (金)
- 或る日常の風景/学級日誌

ブタの目の解剖(指導編)から。
いよいよブタの目の解剖。

初めての解剖だったので1週間ぐらい授業準備を行い、前日には先輩教員に解剖の手順やコツをさらに教えてもらい授業に臨みました。

いよいよ解剖!

この手の実験で"グロ注意!"と書かれているのを見かけるが失礼な話だと思う。
もちろん自分も昨年、初めてブタの目を見させてもらったときは「うわっ!気持ち悪っ」と思ったが、やっていくうちに慣れた。

たぶん生徒たちも同じだろうな、と思う。

ブタの目 fig.目には"力"がある。見られている気がする。

だいたいこの時点で「キャーーーー!」とか「きもっ!」とか悲鳴が上がる。
そりゃそうだ。自分も最初そうだったから。

今回自分も含め、生徒たちには素手で行わせた。ここの所は手袋を使わせるべき、という意見もあろうかと思う。
ただホンモノの感触は素手でないと実感できないところもあるし、生理的に無理だったら見ていればいい(実際何人かは見るどころかずっと俯いていた。別に怒りもしない)

もちろん石鹸も全部準備して、解剖後には手を洗うことを指導しなければならぬ。

女子が言うのならまだわかるが、男が「えっ?素手で触るんですかw?」など、ふざけた調子で言うので「嫌なら帰れ」とかなり強い口調で言い放った。 賛否両論あるだろうが、この場はこちらが"本気で取り組む"姿勢を見せないとダメだろうなと判断したまで。
……実際こういうときに果敢に挑戦するのは女子だったりしますがね。

目の周りについているのは、眼球を動かすための筋肉や脂肪だったりする。解剖ばさみでこの肉を切る。
肉の部分をつまんで持ち上げて、はさみで眼球を下に抑えるように動かすとサクサク切れる。

眼球を傷つけてしまうのでは?とビビってしまうが、強膜(白目の部分)は硬くそう簡単には切れない。
目の裏についている視神経は残すよう指導する。

ブタの目 fig.眼筋やらを肉を切った

目玉のおやじ状態である。
中心にある黒く見える円が瞳孔。その周囲の薄茶色みたいなのが虹彩。外側は白色の強膜。いわゆる白目の部分。

ここからが解剖の本番。
解剖ばさみで強膜を切開する。
強膜は硬い。瞳孔と視神経の中間ぐらいのところを、はさみの先で挟むようにしてパッチンという感じで切り込みを入れる。

眼球はすぐつぶれてしまいそうな弱いものと思われがちだが、強膜は硬いためそう簡単に目はつぶれない。 (ただ瞳孔の表面を覆っている角膜が傷つくとまずい)

ブタの目 fig.赤い点線に沿って切る

上図の赤い点線に沿って一周切り開き、2つに分ける。
このとき眼球内部の大半を占めている硝子体(しょうしたい)が溢れて出てくるので、瞳孔を下にして眼球を手のひらにのせて切る。

この硝子体が出てくるところで生徒は大騒ぎ。
「せんせー!なんか出てきたーー!!」
だから硝子体だって説明しただろうがっ!!

眼球の中は……。

ブタの目 fig.中は黒いメラニン色素で覆われてる…

なんか、でろんと出ている透明なゼリー状のものが硝子体。これが眼球内の大半を占めている。
左側が眼球の前半分。右側が後半分。

ここまで来ると、ギャーギャー叫ぶ生徒もいなくなる。
もう"眼球目"という感じではなくなるだろうからか。

眼球の後半分の観察。

ブタの目 fig.眼球の後半分

フラッシュをたいて撮影したので、白い膜がより見える。この膜が網膜。
光を感じる細胞。レンズを通してここに像が映ると、視神経を通って脳に視覚情報が伝わる。

網膜は簡単にはがれてしまう。眼球が強い衝撃を受けると、網膜剥離が起こりやすいのもうなずける。

白い筋みたいなのが1箇所に集まっている場所が盲斑。盲点の方がわかりやすいか。
ここだけには光を感じる細胞がないので、あるべきものが見えなくなる。

国語でも"いやぁ~その考えは盲点だったな~"とか使うでしょう?えっ使わない?

ブタの目 fig.眼球の前半分

こっちが前半分。透明に見えるのは瞳孔の部分。レンズ(水晶体)がはまっている。
瞳孔の周辺の黒いもので、しいたけの裏みたいな筋が入っているのが毛様体かな?レンズの厚さを変えるはたらきがあります。

レンズを取り出してみる。
眼球の表側(角膜)から押して、ペロンとひっくり返すようにすると、透明なグミみたいなものが取れます。

で、それを新聞なんかの上に置いてみると……。

ブタの目 fig.拡大!!本当にレンズだ。

何人かの生徒は「おおーーー!すげーーーー!!」と感動してくれる。
この純粋な感動の声を聞くと、取り組んだ甲斐があったなと思う。

……ちなみに。
眼球の裏側が黒いのは暗幕と同じ役割をしているため。真っ暗な場所で映画見たほうが良く見えるでしょう?
角膜もレンズも硝子体も透明ですが、なぜ瞳孔が黒いかと言えば……目の裏側のメラニン色素が光を反射しないから。 と言っても生徒たちはポカンとしているので、外側から透明な部分を通して目の裏側(黒い部分)を見ていると説明した。

生物に限らずホンモノに触れたり体験することが、一番の勉強なのは間違いない。
資料集のイラストでは、わかったつもりになっていることも多かった。

50分で説明して、解剖させて、テーブルを回りながら解説すると、この程度しか取り組めないが……。
一生に残る思い出になってくれればいいね。

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 オノさんすごい! いつの間にか、素晴らしい実践家になってるね。俺達、物理出身で、生物は特に弱い分野だけど、先輩教員に教わりながら新しい実践を開拓するその姿勢に頭が下がります。
 俺もがんばらなくちゃ

1. posted by GTY

>GTYさん
ありがとうございます。GTYにほめられると嬉しい限りです。
正直、黒板+チョークだと生徒も飽きてしまうので、少しでも面白そうなネタを・・・という苦肉の策です。
初めての準備は大変ですが、一度モノにしてしまえば、後はその繰り返しで済むので(笑)

2. posted by 担当@navi研

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