中1理科の授業開きのネタに何かあっと驚く演示実験を見せたいのですが適当なのが思いつかず、 苦し紛れに生卵を立てることをやっています。
おもむろに卵を取り出し
「先生には特殊能力がある。生卵を机の上に立てられる能力があると言ったらみんなは信じますか?」
など問い掛けると、生徒は少しざわつきます。
「コロンブスの卵……」
とつぶやく生徒が1人ぐらいはいるので、コロンブスの卵のエピソードの話をした後で「今回は底を割らずにそのまま立たせます」と言い切ります。
そして何人か調子に乗った生徒が「できる!」とか ぬかしてくるので理由を聞き返すと大抵撃沈。
しかし最近のクソガキは小賢しいのも多く、普通に立てられることを知っている生徒もいたりします。
ところで本当に卵を立てられるのでしょうか?
「立春の卵」という話があります。
産経新聞のコラムによれば、
昭和22年の立春は、卵の話題でもちきりだった。中国の古書から「立春に卵が立つ」との記述が見つかったのが、騒ぎの始まりだ。 コロンブスのように、底を割って立てるわけではない。当日、世界各地で卵を立てる実験が行われた。 翌日の日本の新聞も、写真付きで成功を伝えている。
とあります。
雪の結晶研究で有名な物理学者 中谷宇吉郎が随筆の中で、
「卵には凸凹がある。底の部分の少なくとも三点の凸点に重心からおろした垂直線が通れば卵が立つ」と述べ、別に立春でなくても卵は立つと述べています。
理由を聞いてしまえば「へー、そんなものか」と思われるかもしれませんが、今まで世界中で卵が立たなかった理由は誰もが「卵が立つはずがない」という先入観を持っていたためだと中谷宇吉郎は書いています。
やってみるとこれがまた難しい。
集中力と根気を費やして5分ほど格闘するとなんとかできます。
こんな感じ。
これが授業中におもむろに話を振って成功するかどうかまた怪しい。
最近の生徒は集中力がない。こちらが卵を立たせるまで待っていられない。せいぜい3分ぐらい。
こっちは3分以内に卵を立たせないといけないのです。
まさに時間との戦い。
成功すると生徒から「お~っ!」などと声が上がるとこっちもやった甲斐があるというものだが、 だいたい一クラスぐらいは5分粘っても卵を立てられずに「ゴメンネ」と謝り、すごすご撤退するリスキーな実験。
……もっと成功率100%であっと驚いてくれるような実験ネタはないものだろうか。
いつも授業開きは頭を悩ませます。
- 【参考記事】


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